紐ヨガは、ポーズで動くのではなく、
動きを「観察する」という内的な動きのヨガです。
多くの方は、「観察」と聞くと、マインドフルネスや
「ただ呼吸を眺める」といった方法をイメージされるかもしれません。
しかし、紐ヨガの「観察」は、心と脳と身体を
つなぎ直すための身体技法であるとういことです。
リラックスを超えて、脳のOSを書き換える(認識の変容)。
この力強さを秘めています。
本コラムを通して、紐ヨガの究極にシンプルな動きの意図をお伝えします。
脳の「バグ」を身体感覚で書き換える
脳はストレスを感じると「自分の身体が今どうなっているか」
という感覚が麻痺し、不安や緊張を増幅させます。
これが「脳の暴走」です。
紐ヨガは、この「脳の暴走」を静めるため、
身体の動きを観察する意識にシフトします。
「脳が指令を出した通りに身体が動いている」
この証拠を身体で実感するためです。
この感覚的な確認が、脳の暴走を強制終了させ、
深い安心の土台を構築しています。
「統合」のための観察
安心感が心に安定したら、紐ヨガのプロセスは
心と脳と身体を結び直す段階へ入ります。
動いている身体、呼吸、身体の感覚を観察します。
だんだんと観察の対象が増え、観察する領域も繊細になっていきます。
観察が増すほど、過去と未来をさまよう意識は今に安住します。
この観察の最終段階は、「呼吸する」という意志を
頭部から身体に向けてから深呼吸します。
この呼吸を繰り返すことで、身体の反応に支配されいた脳が、
脳から指令を出すトップダウンに再設計されます。
この再設計により、本来の状態に戻ると
感情の波と思考嵐から、自分を取り戻した全能感に近い静寂に包まれます。
この感覚を、聖者たちは「マスター」「自分の体の主」と表現したのです。
認識の変容:世界の見え方が変わる
紐ヨガを通して、心と脳と身体の「統合」を体感すると、
日常に戻ったときの認識が変わります。
瞬発的で自動的な反応が消え、冷静に捉えられるようになります。
それは、「心が落ち着く」というレベルではなく、
「思考と感情の扱い方が変わる」という認識のアップデートです。
認識が変われば、世界は変わらなくても、あなたは変わります。
だから人生が変わっていくのです。
紐ヨガが生まれて18年
私が紐ヨガを開発したのは、今から18年前のこと。
当時はインドにいて、SNSもありませんでした。
「見せたい」という承認欲求もなかった時代です。
ところが今、私たちは常にスマホや誰かの情報に反応させられています。
脳が常に外側に向いていると、自分の内側を感じる力が希薄になります。
外に向いた意識で、ガの複雑なポーズをすることは、
自我を増強させると言われています。
紐ヨガの究極シンプルな動きは、
承認欲求で設計された社会を生きる私たちを予見していたからなのかもしれません。
脳は見えない、心の働きも手に取れないからこそ、
自分の思考と感情に気づいている観察の意識から離れなようにしましょう。
